【生活雑課】
『休日』
休日、シャワーだけ浴びた昼下がり。サンダルを履いて街にでる。ギラギラと照りつける直射日光を、直接、覗き込んではいけない。よくそうやって、いわれたけど、小さい頃から直射日光をよくみつめた。
服がベタつくのは嫌だけど、軽装で汗をかくことは、気にはならないし、元々あまり汗をかかない気がする。
久しぶりの連休は、気分が違う。街に昔からある、焼鳥屋さんを覗きに行く。昼間だけど開店しているだろうか。前回はお会計が現金のみとの事で断念したお店だ。
焼き鳥屋さんはやっていた。すでにもう何人かのお客さんが入っている。まだかろうじて満席では無いようで、待たずに入れそうだった。
「タバコは吸われますか?」
「え?」
若い店員さんからの思わぬ気遣いに、反応できず聞き返してしまう。
「おタバコは?」
吸わないと答えて通された、少し奥のカウンター席は、しっかりとクーラーが効いていた。
煙も暑さも覚悟していた。
ギラつく商店街の暑さとは、大違いの涼しさは本当にありがたかった。背中にこもった熱が放出されてひんやりとする。
「とりあえず」
わざとそう言葉を添えて、冷えたビールと冷やしトマトを。そして焼きたての串を何本かと、もつ煮込みをハーフで。
休日の始まりは上々だ。
昨日も焼肉だったのに。また今日もお肉を食べている。またビールを飲んでいる。
『日常』
夕方に起きて、まず冷たい水をグラスに満たしてから、ゆっくりと飲み干す。日常のはじまり。台所や食卓の上を整えながら、鳥さんたちを部屋に放つ。
鳥さんたちが自由にしている間に、カゴを棚の上にあげ、掃除機をかけ、薬を飲み、風呂を沸かす。時々、鳥さんが肩やら、頭の上やらに飛んでくる。首の辺りをかいてやると喜んでくれるようなので、飽きられるまで続ける。
鳥さんたちに、部屋に戻ってもらう頃には、支度の時間が押している。ぬるい風呂に浅くつかり、ドライヤーで髪を乾かす。仕上げのジェルとスプレーで整える。
職場までの道のりの40分を歩くようにしているのは、そこが唯一の自由な時間だから。ラジオを聴いたり、本を読んだり、書き物をしたり。
職場に着いても、お客さんが来るまではラジオを聴いて仕込みをする。まだホルムズ海峡のニュースが流れてくる。気がつくとチラホラお客さんが入ってくる時間になっている。
グラスをシンクにためないよう、出来るだけ、小まめに洗い物をしていると、いつも一日はあっという間に終わってしまう。
それなのに1週間は結構長い。水曜日を過ぎた頃からが特に長い。週末ですねと、いいながらの、木、金、土。
土曜日の営業を、日曜日の朝方に終える。お休みの日曜のために店内を整えていると、時計の針は昼近くを指している。それを見て、いそいで店を出る。
いそいで店を出たせいで、忘れ物をした気がしてまた店に戻る。たまに連休が取れる日は特別だ。
『生活雑課』
一日一枚のコピー用紙を重ねるように、小さな積み重ねをしようとやってきた。昔は毎日1分だけ、鏡に向かって指先をピンと伸ばし、動きを確認して反復した。それは、すっかり板についたみたいで、そんな積み重ねをしてきた事をすっかり意識しなくなってしまった。
興味があったら調べる。手があいたら磨く。大変なことを一度にやらない。つらいことは早くやめる。
気になる雑貨をついつい買い集めて、気づいたらいっぱいになっていて、まとめてゴミ袋にしまい込む。ついポチった、読めもしない本たちも増えて、ツン読というすっかり聞き慣れた新語の上にあぐらをかいて、背中を向けている。
やれる事を積み上げて、あえて課題にするほどではない、雑多な事や些細な事を整理していく日々の生活。
少年から、青年、そして大人に。ここまでやっても、わからない事の数が減った気がしない。雑多に何かに囲まれている。
幾分、熱量が収まった頃の大通りは、まだしばらく沈まない陽の光のおかげで、本を読むには十分に明るい。鞄にしまい込んであった、何冊かの中の一冊をゆっくりとひらく。
この時期だけ、少しずつ読み進められる。
詰め込んでも深くならない。片手間にやっても浅くはならない。手を伸ばしても届かないから、届くところに手をかける。
流れ込むニュースも、思いついたレシピも、少しの間だけ、自分の中に留まって、気がつくと、もうどこかに行ってしまう。それでも、記憶の片隅に残そうとは努力する。
期待するほどの成果はないけど、何もしてこなかったよりはマシな気がする。徒然に綴った生活雑課。
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これで百回目のブログとなります。
いろいろ、ありがとうございます。
いろいろ、これからも続けていきます。
Cafe&Bar BlueReef
店主 角井正朋
2026.7.22.