【春眠暁を覚えず】

【桜】

 雨の桜も、夜の桜も私は好きで、咲いてくれれば文句はない。

 「今年の季節はおかしいね。」

 今年も季節はおかしいらしい。気圧が上下し、気温が上下し、私は、三寒四温のせいにする。

 「涼しい春の花はながい。」

 とはいえ、寒の戻りがしんどくて、そんな流暢なことをいっていられない。あたたかくなってきたかと、思ったら降り始めたながい雨。

 

【寝坊】

 昼の約束を飛ばしてしまうのは、この10年間でも記憶にない。「今年の季節はおかしいね。」誰かがそういっていた。メッセージで、2回。電話で4回。「ごめんなさい。」を連呼した。

 配達員さんに起こされた。不在電話もメッセージも、怖くてすぐに開けない。「ごめんなさい。」のその先に、一言でそうになったけど、それをグッと飲み込んだ。喉はカラカラ。コップの水を飲み込んだ。

 予定よりも太陽は15度高く登っている。ため息混じりでスマホをみると、時計の針は「残念な知らせ。」を指していた。

 

【いいわけ】

 前の晩、「最近ボーッとしてるよね。」といわれたのを思い出す。ついつい最近、考えごとをしてしまう。文字にするとまた、考えることが増えていく。また文字にすると、寝る時間が減っていく。気づくと深く眠っていて、眠るとなかなか起きれない。そんな風に思っていたら、夕方もまた寝過ごした。ああ、このことかと、思い出す。

 「春眠暁を覚えず。」

そういう、いいわけを思いつく。

 「寝坊助、いいわけを、覚える。」

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【朝の砂】