【丁寧に】

【丁寧に】

 指先がいよいよ冷たくかじかんで、上手く動いてくれない。気持ちだけが先走ってしまいそうになりなが、こうして歩きながら書いている。

 今年の漢字は『熊』だった。各地で被害が相次いで、知るまでのイメージは、少し可愛かったり、頼もしかったり、というものが突如、暗転し恐怖の対象となった一年。報道を聞くだけだったが、その凄惨な現状は想像しがたい。人生初の高尾山に登った年でもあったが、熊よけのスプレーは冗談で持って行ったわけではない。

 なんならパンダもいなくなる。これはまた別の問題であり、パンダが熊かどうかもよく分からない。また別の間接的な危機感を持ちつつ過ごす。

 ブログを綴ることも日常的になり、いつにも増して書いた一年だと思いながら記憶を辿ると、『丁寧』という言葉をよく使ったなと思い出す。

 もともと意識することの無いその言葉を特に今年の後半にとても意識した。歳のせいなのだろうか。年の瀬だからなのだろうか。

 「丁寧に、丁寧に言葉を紡ぎ出してゆく。」という表現は美しく感じるがそれを実際やるのはなかなか難しい。

 『丁(てい・ちょう)』

 『丁寧』の丁。釘や町の語源になっていて、まっすぐ整っている、順序立てて区切られているという意味でそこから→ 区切る・整理する・筋を通すという意味合いを持つ。一つ一つ数えられる最小単位という意味もある。

 『寧(ねい)』

 『丁寧』の寧。人や物が静かに安定している様子。やすらか、おだやか。騒がしさや乱れの反対概念。

 その人、その人の理(ことわり)に沿って筋を通すように、一番小さな単位を大切に積み上げる。おだやかに、安定して、乱れることの無いさま。

 『丁寧』とは、きっとそんな意味を持つ言葉。

【沈黙】

 意外と、前年はは年末も年始もブログで挨拶的なことは一切書いていなかった。もう一年も前の感情を覚えていないのでなんでかわからないし、今年どうして書いているかもわからない。

 このブログも2019年から書き始めて89話目。来年にはとうとう100話をかけるだろうか。2年くらい前からそれを目指してきた。

 書くことが無いなーと思っていると何ヶ月もあいてしまうことがある。それでも無理に書こうとすると、なんだか面白味のないものになる。

 生きているとまだまだ色々あるもので、来年は48歳と年男となるのに、感じたことの無い感覚や感情を経験することがある。そうやってまだ少しずつ歳をとっていくのかと、わざわざ年末にこういう事を考える。

 

 今年もみんな、きっと良いことも悪いこともあったのだろう。だから不用意に聞かないように心がけるようになった。

 「今年はどうでしたか?」

 「お久しぶりです。元気でしたか?」

 「何もお変わりないですか?」

 よくある挨拶の幾つか。これからは、時に受け手を沈黙させてしまうから。

 

【ラストスパート】

 皮肉もなくストレートに後およそ10日程で年末を迎える。このブログはギリギリまで温めようか、書けたらアップするか。

 クリスマスの週は雨らしいけど、乾燥の時期には雨はありがたい。もしかしたら雪に変わるかも?

 12月はラストスパートのように病院に何軒か病院に行った。美容院にも。そういうのを年明けに持ち越したくないから、つい忙しなくしてしまうのか。血液検査の結果を聞きに年内にまた病院に行く。

 師走だからと、無理をせず頑張りもしないように心がけながらも、ついつい営業日数をカウントして、あと少しだから頑張ろうとしてしまう。

 年明けでも良いだろうに、今年最後のカレーの仕込みの為に少し早く家を出て買い出しをしてワインを炊く。今年一つ違う事として、AIが色々教えてくれるようになった事。どうしたらデミグラスソースやカレーが黒くなるのか。簡単に教えてくれる。黒さは味の結果論で、黒いから美味しいわけではないけれど、黒いと美味しそうに見えてしまう。

 営業日数もあと幾晩か。まず今年もお店を無事に終えられそうだということに感謝です。大病もしないでやる事ができたし、お客様も変わらずに、いらしてくれているからこそ営業が続けられる。

 ありがとうございます。ありがとうございます。と、あと今年何度いう事ができるだろうか。そうやって今年もまた、来年も、その先もあんまり変わらないでやって行きたい。今年も一年ありがとうございます。

年内は12/30(火曜日)まで。

年始は1/5(月曜日)から営業いたします。

 どうぞ宜しくお願い致します。

 

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【あっ。】